蔵人新宇(kurart ARAU)は
「くらーとあらう」と読みます。
蔵とアートをつなげた造語です。
群馬県みどり市大間々町で
江戸時代から店を構えてきた新宇商店には、
明治から昭和にかけて造られた土蔵群があります。
その修復と利活用、大量に残されていた陶磁器などの販売を
目的として蔵人新宇を立ち上げました。
2021年4月には蔵の一つを改装したカフェもできました。
新宇商店は当初、肥料や飼料などを扱う店でしたが、やがて瀬戸物屋となり、中島飛行機(現SUBARU)や古河鉱業(現 古河機械金属)が経営する足尾銅山などを顧客としてきました。 先々代の宇四郎は貨車で大量の陶磁器を仕入れ、米軍の将校などにも販売していたと伝え聞いています。
その後、宇四郎が瀬戸物屋から手を引く一方、もう一つの商売(業務用火薬の販売)が順調だったこともあり、蔵の中に積み上げられた陶磁器はそのままになっていました。 しかし、最近になって蔵の外壁が剥がれ落ちるようになり、修復するか取り壊すかの判断を迫られたことから、この大量の陶磁器を販売し、蔵を活用していこうと決心するに至りました。
蔵に残されていたのは大正から昭和にかけて作られた生活陶器・磁器が中心で、きれいに揃った工業製品とは違う味があります。 とにかく量が多いので、お手頃な価格でご提供しています。 また、ガラス製品や日用雑貨、明治時代のハイグレード品などもあり、宝探しをするつもりで遊びにきていただくと、思わぬ掘り出し物が見つかるかもしれません。
どんなものが蔵から出てきたかはInstagram( @kurart.arau )やTwitter(
@kurart_arau )でお知らせしておりますので、よかったらチェックしてみてください。
蔵の中のものをすべてを出し切るにはまだまだ時間がかかりそうですが、 今後も商品を入れ替えながら、展示販売していく予定です。
2021年4月末に、蔵の一つを改装したカフェをオープン。 大正5年(1916)にこの蔵を建造した新井宇八にちなんで、「cafe 蔵八」と名付けました。 改装にあたっては、100年前の蔵を次の100年につなぐため、できるだけ手を加えないという方針で工事が行われました。 土間や土壁の一部が100年前のまま残されているので、ご来店の際にご覧いただければと思います。
cafe 蔵八では、コーヒーや紅茶を蔵出しのカップ&ソーサーでご提供しています。 色や柄だけでなく、作られた時代や場所もさまざまな陶磁器たち。 それらを眺めるだけでも楽しいひとときになるはずです。
カフェもショップも、お気に召しましたら、何度でもお越しいただけると幸いです。 どうぞよろしくお願いいたします。
蔵人新宇 店主 新井規夫